口臭の原因は歯周病?

3歳以上のわんちゃんネコちゃんの70%以上が、歯周病になると言われています。「最近、うちの子の口臭が気になるな」と思ったら、一度は歯周病を疑ってみても良いかもしれません。

今回は、わんちゃんネコちゃんの歯周病について解説します。

歯周病とは

わんちゃんネコちゃんの歯周病は、私たち人間のものと同じです。わんちゃんやネコちゃんは毎日歯磨きができないため、歯石や歯垢が溜まりやすくなります。その結果として、歯肉炎からスタートして、歯周炎になっていきます。症状としては、歯茎が痩せて痛みが出てくること、歯の根っこにも影響を与え、最終的には抜けてしまうのです。

放置すると口内だけでなく全身疾患の可能性が出てきます。命に関わるような病気になることもあり得ますので、早めに対処することが必要です。

なお、歯周病に気づくポイントとして多いのは、口臭です。わんちゃんネコちゃんの口臭がキツかったり、ご飯の食べ方や好みが変わることで気づくパターンもあるため、日々の様子をしっかりと観察しておきましょう。

さらに、遺伝よりも環境的な要因であることや顔が長い犬種はなりやすいと言われていますので、注意しましょう。

歯周病の基本的な治療

歯周病の基本的な治療には、「歯石除去」「内科治療」「外科治療」の3つのパターンがあります。

①歯石除去

歯周病は、基本的に歯石・歯垢を除去することが重要です。超音波装置などで見えている部分の歯石を除去し、さらに治療を進める中で歯周ポケットの中の歯石・歯垢も取り除きます。深い歯周ポケットの状態の改善を図ることで、進行を食い止めることができるのです。

当院では、麻酔を活用しながらわんちゃんネコちゃんに影響が少ないようにしつつ治療を進めます。

②内科治療

歯周病の治療においては、抗菌剤の投与も効果的です。口の中の細菌を除去するための方法として、抗菌剤を飲んでもらうことがあります。なお、投与が難しい場合には注射で抗生剤を打つ方法もあります。

③外科治療

歯周病が重度である場合、特に歯根部などの炎症で骨が溶け出していることなどがわかる場合には、外科治療によって抜歯する必要があります。

繊細な手術になるため入院する必要なども出てくるほか、退院後の処置やケアが必要になるため、ここまでの処置が必要になる前にケアしておきましょう。

また、医院によってはレーザーによって歯周ポケットの内部を殺菌し、炎症組織に作用して歯肉の治療を促進します。この治療は、歯石除去や歯周病治療を終えた後の仕上げとして行われることがほとんどです。

歯周病予防のポイント

歯周病予防のポイントは、なんと言っても歯ブラシです。歯ブラシによって表面や歯周ポケットの汚れを直接除去できるほか、歯周ポケットに空気を入れるだけでも細菌の繁殖を防ぐことができるため、効果的です。

また、ガーゼを使って指で歯を磨いてあげる、デンタルジェルやリンスを水に混ぜて飲ませてあげるなどすることで、口内環境を整えることができます。なお、最近では飲むだけで善玉菌を増やして口内環境を整えてくれるサプリもあるため、うまく活用しながら歯周病予防を行うことができます。

スモールステップで慣らせる

わんちゃんネコちゃんのほとんどは、歯磨きが苦手です。数日、数週間で慣れることはないため、数ヶ月かかると思って地道に取り組んでいくしかありません。

理想的にはわんちゃんネコちゃんが小さな頃から習慣化させることですが、大人になってからでもできないわけではありませんが、本人と飼い主さんが疲れないよう、「長い時間がかかる」という意識を持っておくと良いでしょう。

当院でのデンタルケア

当院では、歯石除去や歯磨き指導、食事指導を通じてデンタルケアをサポートしています。ホームケアは3日1回を目指していただき、少しずつ毎日できるようにしていけるように指導等しておりますので、お気軽にご相談ください。

熊本市の動物病院|どうそペットクリニック

■住所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南4丁目10-1
■TEL
096-285-5755
■アクセス
熊本ICから車で10分
「福祉センターグラウンド前」バス停下車から徒歩1分
■サイト
【公式ホームページ】
https://douso-petclinic.com/

その他のコラム

猫が妊娠!
出産までにやるべきこと

猫が妊娠!出産までにやるべきことや出産時に注意することは? 「おうちの猫ちゃんが妊娠した」「妊娠中の野良猫を保護した」。出産を控えた猫と暮らすことになったとき、飼い主はどんなことに気をつけて過ごし、何を準備しておく必要があるのでしょうか。今回は、猫の妊娠から出産までの注意点をご紹介します。 妊娠期間 猫のメスは生後半年〜10カ月ほど、オスは生後3カ月ごろからはじまり、生後9〜12カ月で本格的な発情期を迎えます。その後、メ...

大切な家族を守るための避妊・去勢

去勢・避妊の目的や重要性 ペットを飼うとなると、どうしても直面する問題が「避妊」や「去勢」の問題です。現在、およそ7割のわんちゃん、ネコちゃんが受けているという避妊ですが、どういった目的で行うのでしょうか。 去勢や避妊の大きな目的は、病気の予防です。子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、睾丸腫瘍などの様々な病気の発生を抑えられるほか、性ホルモンなどによって病気が悪化する可能性を断つことができるため、できるだけ早い段階で受けることを推奨...

ワンちゃんのダイエットはどうする?意識や計画はしっかり立てる!

おねだりされたり、一緒に美味しいものを食べたい…という思いから、ついついおやつをあげすぎたりご飯をあげたりしていませんか?ワンちゃんは私たちと違い、少しの体重増加が大きな影響を及ぼします。逆に、体重減少もやりすぎてしまうと体に負担がかかってしまうのです。 今回は、適切なダイエット法や考え方についてお話したいと思います。 犬は肥満になりがち 大前提として、ワンちゃんは肥満になりやすいと言われています。そのため、生活習慣...

先手を打てば後が楽になる!子犬の頃からの健康診断

・初めて子犬を飼うことになった!けれど、健康診断はいつから受けるべき? ・これまでにワンちゃんを育てた経験はあるけれど子犬は初めて など 子犬を受け入れることが初めてな方にとって、健康診断を受けるタイミングがわからないという方は多いのではないでしょうか。 今回は、子犬を初めて飼う方のための健康診断について解説します。 まずは環境に慣らせること 初めて家にきた子犬は、環境の変化に戸惑い...

ペットの健康と健康診断の重要性

一般的に、動物は人間の4倍の速度で年を重ねると言われています。つまり、その分「衰え」や思わぬ病気に罹ってしまう可能性も高いということです。 近年、人間同様に「予防」を重視されつつある動物医療ですが、なかなか定期的な健康診断を受けられていない人がいるのが現状です。 今回は、そんな方にこそ受けていただきたい「ペットの健康診断」について解説します。 なぜ健康診断が必要なのか   動物たちは、本能的に痛...

096-285-5755WEB予約