歯周病を予防するためにできるケアと習慣

飼い主さんの多くが悩まれている、ペットの口内ケア。毎日のケアは難しく、できても健康診断や定期的に病院でケアしてもらうだけ…。そんな方は多いのではないでしょうか。

今回は、歯周病予防の重要性とデンタルケアの方法などについて解説します。

未然に防ぐことの重要性

歯周病は、3歳以上の犬猫の70%以上、7歳以上の犬猫はほぼ100%が罹患していると言われています。原因は、日々のデンタルケアができていないことにあるのですが、実際にはなかなか難しいのが現状です。

まずは、「進行してから治療すること」と「軽度な状態で予防治療をする」ことの具体的な比較を行っていきましょう。

進行してからの治療について

歯周病が進行すると、治療そのものが困難になりがちです。麻酔を使うことや処置時間の長さ、痛みが強くなったり場合によっては抜歯も必要になるため、ペットへの負担も自然と大きくなってしまいます。

軽度な状態での予防

軽度な状態でケアができれば、歯周病の予防的なケアも可能になります。また、処置時間、痛み、麻酔をあまり使わなくても済む可能性があることからペットに対してのリスクが少ないため、安心して治療が行えます。

自宅で行えるデンタルケアの方法

では、できるだけ軽度で治療に臨むためにできるケアには何があるでしょうか。大きく4つの方法がありますので、それぞれ解説します。

①歯ブラシでのケア

歯ブラシでのケアは、頻度が重要です。理想は毎日ですが、歯石は3日で沈着すると言われているので最低でも3日に1回は行うようにしましょう。歯ブラシは、予防用のものと歯周病ケアのものを分けるようにして、歯周病菌のついたものは使わないように心がけましょう。なお、歯ブラシについては人間用と動物用のどちらを選んでも構いませんが、毛先は柔らかいものを選択し、ワンちゃんネコちゃんの口のサイズにあった大きさのブラシを選ぶようにしてください。

②口内洗浄

ワンちゃんネコちゃんの口内洗浄は、スプレーやジェル、デンタルペーストがあります。口腔内の乾燥を防ぎ、微生物を減少させる効果があるため、それぞれにあったものを使うようにしましょう。

なお、人用のものは吐き出すことが前提となっているため、必ず動物用のものを選択するようにしてください。

③歯磨きガム

犬猫用の歯磨きがむは、物理的に口内の汚れを除去する効果があります。また、化学的な添加物による予防効果もあるため、活用すると良いでしょう。なお、ペットショップやホームセンターでも気軽に購入できるため、おやつ感覚で初めてみても良いかもしれません。

④サプリメント

サプリメントは、口腔内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やすことによって、歯周病の発生を抑えることができるものです。塗るタイプと内服するタイプがあるので、それぞれにあったものを使うようにしましょう。

サプリメントは、重度の歯周病を治療するときに使用されることが多くあります。

できるだけ慣れておける環境づくりを

ワンちゃんネコちゃんは、口の中を触られることが基本的には嫌だと感じるものです。できるだけ幼い頃から、口の中を触られることに慣れておくことが重要です。

お口の健康は体の健康につながります。遊びの一環として、おやつをあげる前のコミュニケーションなどに盛り込みながら、飼い主さんも動物も、触る習慣・触られる習慣を作っておきましょう。

熊本市の動物病院|どうそペットクリニック

■住所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南4丁目10-1
■TEL
096-285-5755
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「福祉センターグラウンド前」バス停下車から徒歩1分
■サイト
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