いつまでも健康に暮らそう!ワンちゃんの眼科治療

ワンちゃんが目をショボショボさせていたり、やけにこすっていると感じられることはありませんか?

ワンちゃんの眼科疾患は、数多くあります。しかし、自分から異常を訴えることができないことや痛みなどを隠す本能があるため、飼い主さんがいかに早く気付いてあげられるかどうかが重要です。

目は一度失明すると回復することができません。ワンちゃんの健康のためにも、目の病気などを理解しておきましょう。

よくある目の病気

まつ毛に関すること

まつ毛に関する病気は、眼の表面の角膜を刺激することで、流涙症や目やに、痛み、角膜潰瘍などを引き起こします。重度なものであれば、外科的な切除やレーザーによる治療などが必要になります。

ものもらい・めばちこ(麦粒腫)

まぶたの縁で涙を作る分泌腺が細菌感染することで、起こります。まぶたの一部が腫れ上がり、痛みを伴うという症状がみられるため、抗生物質の点眼薬や薬の投与による治療が一般的です。

ドライアイ

乾性角結膜炎とも呼ばれます。シーズーやパグなどによくみられるもので、涙の分泌量が減ることで目が乾燥し、角膜や結膜に炎症が起こります。

ドライアイと聞くと、人間と同じ症状を想像するかもしれませんが、実際には全く別のもので、一番大きな特徴は「ベタついた目やに」が出るのが特徴です。さらに、角膜の色素沈着が起こることもあります。基本的には、免疫抑制剤や人口涙液、ヒアルロン酸などの点眼薬を投与することで治療します。

白内障・緑内障

①白内障

白内障は、目の中にある透明なレンズ(水晶体)の一部又は全部が白く濁ることで起こります。犬に特に多く、遺伝的なものや老化、糖尿病など様々なことが原因と言われています。

治療のために最も効果的なのは外科手術であり、サプリメントや点眼薬は治癒ではなく進行を遅らせることが目的であるため、それぞれをうまく使いながら治療を進めます。

②緑内障

目の内部の圧力が上昇する病気です。充血、やたらと眩しがる、瞳孔散大、さらに重症化すると痛みを感じるようになるため、元気や食欲の消失などが見られます。できるだけ早く見つけて処置することで重症化を抑えることができ、眼圧を低下させる目薬や点滴を使うことで治療します。

角膜びらん・角膜潰瘍

角膜が損傷を受け上皮が欠損した状態が「角膜びらん」、上皮までを失った状態を「角膜潰瘍」といいます。

主な原因として、シャンプーや洗剤の外傷、ドライヤーによる物理的な刺激や細菌感染と言われています。急に眩しがったり目やにが多くなったり、まぶたの痙攣、角膜が赤や白になるといった症状が見られます。

治療法は、抗生物質や角膜保護剤の目薬がメインとなります。

進行性網膜萎縮

遺伝性の疾患で、徐々に視覚が失われてしまいます。最終的には失明するのが特徴です。現在は治療法がないため、サプリメントなどで徐々に進行を遅らせるのが基本的な対処法です。ミニチュアダックス、ラブラドールレトリバー、プードルなどに多く見られます。

一般的な検査方法について

一般的な眼科検診は、次のような内容です。

①問診・身体検査

目の充血や目やに、流涙などの症状の有無、まぶた、眼球の形態、物が近づいてきた時や光を当てた時の反応などを確認します。品種や年齢、遺伝などの関係を確認することで、ワンちゃんの現状を判断していきます。

②血液検査

目に関する病気は、全身疾患の影響で発症する可能性もあります。全身の血液検査を行うことで、眼科疾患の背景に何かないかを確認します。

③眼科検査

「スリットランプ」という機械を使用したり、眼圧、眼底などを検査します。専門的な検査をすることでより詳細の症状を知ることができます。

早期発見・早期対処が重要

ワンちゃんの目に関する病気は、早期発見・早期対処が重要です。「いつもと様子が違うかな?」と思うことがあれば、様子見をすることなくすぐに受診するようにしましょう。

熊本市の動物病院|どうそペットクリニック

■住所
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南4丁目10-1
■TEL
096-285-5755
■アクセス
熊本ICから車で10分
「福祉センターグラウンド前」バス停下車から徒歩1分
■サイト
【公式ホームページ】
https://douso-petclinic.com/

その他のコラム

デンタルケアはペットの幸せ!

長生きの秘訣は、いつまでも健康的に食べること。これは人間でもワンちゃんでも変わりません。どんな世代でもデンタルケアは大切ですが、特にシニア犬のデンタルケアは健康維持のために重要です。 今回は、ワンちゃんのデンタルケア(特に歯周病ケア)について解説します。 シニア犬の約8割は歯周病 歯周病は、老化の一つです。口の中に歯石が溜まり、細菌によって歯肉炎や歯周病になると言われていますが、一度ついた歯石は取れず...

歯周病を予防するためにできるケアと習慣

飼い主さんの多くが悩まれている、ペットの口内ケア。毎日のケアは難しく、できても健康診断や定期的に病院でケアしてもらうだけ…。そんな方は多いのではないでしょうか。 今回は、歯周病予防の重要性とデンタルケアの方法などについて解説します。 未然に防ぐことの重要性 歯周病は、3歳以上の犬猫の70%以上、7歳以上の犬猫はほぼ100%が罹患していると言われています。原因は、日々のデンタルケアができていないことにあるの...

元気だから必要ない!?ペットには定期的な健康診断を

「うちのペットは元気だから、健康診断は必要ない」と思っている飼い主さんも多いかもしれません。 しかし、ペットが元気に見えても、実は見えないところで何か問題が進行していることがあります。 本記事では、ペットに定期的な健康診断が必要な理由や診断の内容について解説していきます。   健康診断が必要な理由 病気の早期発見・治療につながる ペットは痛みや不快感を言葉で伝えることができません。 そのため、定期的...

ワンちゃんのダイエットはどうする?意識や計画はしっかり立てる!

おねだりされたり、一緒に美味しいものを食べたい…という思いから、ついついおやつをあげすぎたりご飯をあげたりしていませんか?ワンちゃんは私たちと違い、少しの体重増加が大きな影響を及ぼします。逆に、体重減少もやりすぎてしまうと体に負担がかかってしまうのです。 今回は、適切なダイエット法や考え方についてお話したいと思います。 犬は肥満になりがち 大前提として、ワンちゃんは肥満になりやすいと言われています。そのため、生活習慣...

愛犬に去勢・避妊手術はするべきか?メリットとデメリットを詳しく解説

ペットの犬に去勢・避妊手術を行うかどうかは、飼い主さんにとって大きな決断のひとつです。 手術を受けることによるメリットとデメリットを理解し、愛犬にとって最善の選択をすることが大切です。 この記事では、去勢・避妊手術のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。   去勢・避妊手術とは? まず初めに犬の去勢・避妊手術とは何か説明します。 避妊手術は、メスの子宮と卵巣を外科的に摘出する手術であり、...

096-285-5755WEB予約