狂犬病予防接種が
必要なのはなぜ?

犬の狂犬病予防接種が必要なのはなぜ?

動物からうつる病気のなかでも、特に恐れられているのが「狂犬病」です。
日本で犬を飼っている方なら、ほとんどの方が狂犬病という名前はご存知かと思います。日本では、「狂犬病予防法」が制定されており、年に1回のワクチン接種が義務付けられています。
しかし、なかには「散歩以外は、おうちのなかにいる室内飼いなのだから狂犬病のワクチン接種は必要ないのでは」と思う方もいるかもしれません。
そこで、犬の狂犬病ワクチン接種はなぜ必要なのかをまとめました。

そもそも狂犬病ってどんな病気?

狂犬病は、日本だけでなく世界的に知られる病気です。
日本では感染する可能性はほぼありませんが、日本のほかイギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどを除いて、海外ではほとんどの国で感染する可能性がある病気です。狂犬病に感染した犬は、激しく興奮し攻撃的になったり、後半身から前半身に麻痺が広がり飲食ができなくなったりしたのち、脳炎が進行したり、麻痺症状が続いて亡くなってしまいます。
また狂「犬」病とよばれるものの、感染するのは犬だけとは限りません。猫やキツネ、コウモリアライグマなど、すべての哺乳類に感染する病気で、ヒトも例外ではありません。ヒトの場合、狂犬病に感染した動物に噛まれたり、唾液に排出されるウイルスが傷口から体内に侵入したりすることで感染します。
さらに恐ろしいことに、ヒトを含む全ての動物で、狂犬病に発症するとほぼ100%死亡してしまうのです。
WHOの推計では、世界中で狂犬病が理由でなくなる方は年間およそ5万5000人。アジア地域だけで3万人以上もいるといわれています。

狂犬病の治療方法を知りたい!

先述したとおり、狂犬病に感染した場合、死亡率はほぼ100パーセント。残念ながら、発症した狂犬病を確実に治す治療法は確立されていません。
もし、狂犬病の疑いがある動物に噛まれてしまったら、ヒトの場合は、発病前に狂犬病予防のためのワクチンを数回摂取することで、発病を防げる可能性があります。いずれにせよ、狂犬病が発病するエリアを訪れる際は、むやみに動物に近づかないようにしてください。出国前に、狂犬病の予防接種を受けることもおすすめです。

狂犬病のまん延を防ぐためにもワクチン接種は必至!

狂犬病は、すべての哺乳類で感染しますが、ヒトが感染する際、ほとんどの感染源は「犬」なのだそうです。
日本では1957年の猫での発生を最後に、狂犬病は発生していませんが、狂犬病を発生している近隣諸国は多くあります。
グローバルな今の時代、今後も日本が狂犬病を発生しない国でいられる確証はありません。年に1回、愛犬が狂犬病のワクチンを摂取することは、私たちが安全に暮らすためにも必要不可欠です。
また飼い犬を自治体に登録することで、万が一狂犬病が日本で発生した際にも、まん延防止対策を素早く行うことができます。
飼い主ひとりひとりが、狂犬病の危険を認識し、自覚ある行動を行うようにしましょう。

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